中世・近世に刊行されたラテン語の法学文献には、さまざまな「省略形 Abbreviation」が使用されています。ご専門の研究者には周知の省略形であっても、私のように専門の教育を受けていない者にはそれを読み解くのは困難です。そこで自分の備忘録も兼ねて、実際に私が註釈書などで見かけた省略形を少しずつ掲載していきたいと思います(このページをご利用いただくにあたって、必ずはじめに参照文献・注意事項をご覧ください)。
最終更新日 2023年12月10日(日)
A
◆ aīo(i の上点が直線)= animo「精神に」[animus の単数・与格あるいは奪格]
◆ aliqd(q の下に直線)= aliquid「ある物が・を」
◆ ałr(l に短い斜線が交差)= aliter「他の方法で」
◆ ałs(l に短い斜線が交差)= alias「他の方法で」
◆ appłone(l に短い斜線が交差)= appelatione「上訴」[appelatio の単数・奪格]
◆ at(t の上に直線)= autem「他方で」 [CAP] 26 l.2
◆ aūt(u の上に直線)= autem「他方で」 [CAP] 28 r.12
B
◆ bn(n の上に直線)= bene「よく、十分に」 [CAP] 34 r.1
◆ br(r の上に直線)= breviter「簡潔に」[CAP] 36 r.10
◆ br dt(r の上に直線、d の上に直線)= breviter dicit「簡潔に述べる」
C
◆ c. = capitulum「(教会法大全における)法文、条」 [KAN] 17(注: カントロヴィッチによれば、カノン法文献の参照指示 Allegation において c. が canon や caput を意味することは稀とのこと)
◆ c. fi. = capitulum finale「最後の法文、条」
◆ cā(a の上に直線) = causa「原因」
◆ cap. = capitulum「(教会法大全における)法文、条」
◆ circa fin. = circa finem「終わり頃に、終わりあたりで」
◆ cōe(o の上に直線)= commune「共通の」[communis の単数・中性・主格および対格] [CAP] 56 l.12
◆ cōi(o の上に直線)= communi「共通の」[communis の単数・男女中・与格および奪格] [CAP] 57 l.12
◆ cōia(o の上に直線)= communia「共通の」[communis の複数・中性・主格および対格] [CAP] 57 l.14
◆ cōis(o の上に直線)= communis「共通の」 [SEC] 12 l.3
◆ cōiter(o の上に直線)= communiter「共通に」
◆ colłr(l に短い斜線が交差)= colligitur「集められる、獲得される、推測される」[colligo の直説法・現在・3人称単数・受動相]
◇ ɔ ...(c を左右反転)= con ...[単語の冒頭部分などで。例えば、c[on]cordare]
◆ ɔns(c を左右反転、n の上に直線)= consequens
◆ ɔ(c を左右反転して上に波線)= contra「~に反対して」[前置詞・副詞]
◇ ɔ ...(c を左右反転して上に波線)= contra ...[単語の冒頭部分などで。例えば c[ontra]ctus]
D
◆ d(d の上に直線)= de「~について」[前置詞]
◇ d ...(d の上に直線)= de ...[単語の冒頭部分などで。例えば d[e]monstratio]
◆ d. l. = dicta lex「前述の法文」
◆ d3(d の隣に3のような文字)= debet「〔彼は〕~しなければならない」[debeo の直説法・現在・3人称単数・能動相] [CAP] 87 r.2
◆ dēat(e の上に直線)= debeat「〔彼は〕~しなければならない」[debeo の接続法・現在・3人称単数・能動相]
◆ decło(l に短い斜線が交差)= declaratio「宣言、説明」
◆ dēt(e の上に直線)= debet「〔彼は〕~しなければならない」[debeo の直説法・現在・3人称単数・能動相]
◆ dēmus(e の上に直線)= debemus「〔私たちは〕~しなければならない」[debeo の直説法・現在・1人称複数・能動相]
◆ dēnt(e の上に直線)= debent「〔彼らは〕~しなければならない」[debeo の直説法・現在・3人称複数・能動相]
◆ dēs(e の上に直線)= debes「〔あなたは〕~しなければならない」[debeo の直説法・現在・2人称複数・能動相]
◆ dispōnē(o の上に直線、e の上に直線)= dispositionem「規定を」[dispositio の単数・女性・対格]
◆ dni(n の上に直線)= domini「主人の」[dominus の単数・男性・属格] [CAP] 105 l.3
◆ dno(n の上に直線)= domino「主人に」[dominus の単数・男性・与格あるいは奪格] [SEC] 12 l.9
◆ dns(n の上に直線)= dominus「主人は」[dominus の単数・男性・主格] [SEC] 12 l.10
◆ dnr(n の上に直線)= dicuntur「〔それらは〕言われる」[dico の直説法・現在・3人称複数・受動相]
◆ dnt(n の上に直線)= dicunt「〔彼らは〕言う」[dico の直説法・現在・3人称複数・能動相]
◆ dr(r の上に直線)= dicitur「〔それは〕~と言われている」[CAP] 108 r.9
◆ dria(r の上に直線)= differentia「相違」[SEC] 12 l.13
◆ dt(d の上に直線)= dicit「〔彼は〕言う」[dico の直説法・現在・3人称単数・能動相]
E
◆ ē(e の上に直線)= est「~である」[CAP] 113 l.2
◆ ea. = eadam「同じ」[idem の女性・単数・主格など] [KAN] 18
◆ eccłiarū(l に短い斜線が交差、u の上に直線)= ecclesiarum「教会」[ecclesia の複数・女性・属格]
◆ eē(2つ目の e の上に直線)= esse「~であること」[CAP] 116 r.3
◆ e. l. ... = eodem titulo, lex ...「同じ章の法文〇〇〇」(注: e. のほかに、eo. や eod. も)
◆ em(m の上に直線)= enim「なぜならば、すなわち」[CAP] 120 r.1
◆ eo. = eodem「同じ」[idem の男性および中性の単数・奪格] [KAN] 18
◆ epm(p の上に直線)= episcopum「司教を」[episcopus の単数・男性・対格] [CAP] 122 r.9
◆ Eps(p の上に直線)= Episcopus「司教」[episcopus の単数・男性・主格] [CAP] 122 r.13
◆ ēt(e の上に直線)= etiam「さらに、~さえ」 [CAP] 124 r.2
◆ ex(x の上に波線)= extra「集外法規集 (Liber Extra)」 [KAN] 22
◆ exne(x の上に波線、末尾に9の記号)= extraneus「異邦人」[extraneus の単数・男性・単数]
◆ expō(o の上に直線)= expositio「説明」 [CAP] 131 l.11
F
◆ fcī(i の上点が直線)= facti「事実の」[factum の単数・中性・属格] [CAP] 135 r.7
◆ fcm(m の上に直線)= factum「事実」[factum の単数・中性・主格あるいは対格] [CAP] 135 r.12
◆ fcō(o の上に直線)= facto「事実に」[factum の単数・与格あるいは奪格] [CAP] 135 r.13
◆ ff. = Digestum, Pandectae「学説彙纂」
◆ fi. = finalis「最後の」 [CAP] 137 r.9
◆ frīs(i の上点が直線)= fratris「兄弟の」[frater の単数・男性・属格]
G
◆ gl. = glossa「註釈」(注: gl. のほかに glo. も)
◆ gnalis(n の上に直線)= generalis「一般的な」 [SEC] 12 r.3
◆ gnałr(n の上に直線、l に短い斜線が交差)= generaliter「一般的に」
◆ gne(n の上に直線)= genere「種類」[genus の単数・中世・奪格][CAP] 152 r.5
◆ gra(r の上に直線)= gratia「感謝、恩寵」
H
◆ h3(h の右隣に数字の3のような記号)= habet「〔彼は〕持っている」[habeo の直接法・現在・3人称単数・能動相][CAP] 157 l.6
◆ h. d. = hoc dicit「このように述べている」
◆ hēat(e の上に直線)= habeat「〔彼は〕持っている」[habeo の接続法・現在・3人称単数・能動相]
◆ hēo(e の上に直線)= habeo「〔私は〕持っている」[habeo の直接法・現在・1人称単数・能動相]
◆ hēt(e の上に直線)= habet「〔彼は〕持っている」[habeo の直接法・現在・3人称単数・能動相]
◆ hmōi(o の上に直線)= hujusmodi「このような種類の」[CAP] 162 l.6
◆ hnr(n の上に直線)= habentur「〔それらは〕持たれている」[habeo の直接法・現在・3人称複数・受動相][CAP] 162 r.6(注: 接続法現在 habeantur の省略形としても見かけたが、誤植か?)
◆ hnt(n の上に直線)= habent「〔彼らは〕持っている」[habeo の直接法・現在・3人称複数・能動相][CAP] 162 r.10
◆ hntes(n の上に直線)= habentes「持っている」[habeo の現在分詞・男女・複数・主格および対格]
◆ hoīe(i の上点が直線)= homine「人間から」[homo の単数・男性・奪格][CAP] 163 r.11
◆ hoīem(i の上点が直線)= hominem「人間を」[homo の単数・男性・対格]
◆ hoīes(i の上点が直線)= homines「人間たちは」[homo の複数・男性・主格および対格]
◆ hr(r の上に直線)= habetur「~を持たれる」[habeo の直説法・現在・3人称単数・受動相]
◆ hrdes(r の上に直線)= haeredes「相続人たち」[h(a)eres の複数・男女・主格および対格]
◆ hrditate(r と e の上に直線)= haereditatem「相続」[h(a)ereditas の単数・女性・対格]
◆ hre(r の上に直線)= habere「~を持つこと」[habeo の現在・不定詞][CAP] 165 l.5
◆ hret(r の上に直線)= haberet「〔彼は〕~を持っていた」[habeo の接続法・未完了・3人称単数・能動相]
◆ hri(r の上に直線)= haberi「持たれること」[habeo の不定詞・現在・受動相][CAP] 165 l.8
◆ hrs(r の上に直線)= haeres「相続人」
I・J
◆ i. = id est「すなわち」
◆ ī.(i の上点が直線)= in「~において」[前置詞]
◆ ĩ.(i の上点が波線)= infra「後出の、(文書中で)あとで」
◆ i(末尾に9の記号)= ius「法、権利」 [CAP] 169 l.1
◆ in fi. = in fine「最後あたりにおいて」
◆ in fi. l. = in fine legis「法文の最後あたりにおいて」
◆ in prin. = in principio「(市民法大全のある法文の)首項において」(注: prin. のほかに princ. も)
◆ inf. = infra「後出の、(文書中で)あとで」
◆ intelłm(2つめの l に短い斜線が交差)= intellectum「理解を」[letellectus の単数・男性・対格]
◆ iō(o の上に直線)= ideo「それゆえに」(注: Et hoc ideo, quia ... 「またこれはそれゆえ、……だからである」)
L
◆ l. = lex「法文」(文脈に応じて、legis「法文の」や legem「法文を」なども)
◆ l3(l の右隣に数字の3のような記号)= licet「~が許されている」「たとえ~でも」 [CAP] 198 r.7
◆ l. pen. = lex penultima「最後から2番目の法文」
◆ l. seq. = lex sequens「次の法文」(注: seq. のほかに、se. も。cum l. sequenti などの用例も)
◆ l. ult. = lex ultima「最後の法文」(注: ult. のほかに、ul. も)
◆ liqde(q の下に直線) = liquide「明白に」
◆ ll. = leges「法律」[lex の複数・主格あるいは対格] [CAP] 204 l.4
◆ ltīma(i の上点が直線) = legitima「合法的な」[legitimus の単数・女性・主格など]
M
◆ mã(a の上に波線)= materia「題材、資料」 [CAP] 211 l.5
◆ mã3(a の上に波線、最後に数字の3のような記号)= materiam「題材、資料を」[materia の単数・女性・対格]
◆ mō(o の上に直線)= modo「~の仕方で」 [CAP] 222 r.9
◆ mrimonii(r の上に直線)= matrimonii「婚姻の」[matrimonium の単数・中性・属格]
N
◆ n(n の上に直線)= non[否定辞][CAP] 239 l.6
◆ .n. = enim「なぜならば、すなわち」
◆ nā(a の上に直線)= nam「たしかに、つまり」
◆ nã(a の上に波線)= natura「自然」 [CAP] 230 l.14
◆ nãłr(a の上に波線、l に短い斜線が交差)= naturaliter「自然に」
◆ nãm(a の上に波線)= naturam「自然を」[natura の単数・女性・対格] [CAP] 232 l.5
◆ nō(o の上に直線)= non[否定辞]
◆ no. = nota「註解。注意せよ」(ほかに notat「〔彼は〕~と述べる」や notatur「~と述べられている」も可?)
◆ no. dignū(u の上に直線)= notatu dignum「注目に値する」
◆ noīe(i の上点が直線)= nomine「名前で」[nomen の単数・中性・奪格]
◆ noīs(i の上点が直線)= nominis「名前の」[nomen の単数・中性・属格] [CAP] 239 l.8
◆ not. = nota「註解。注意せよ」(ほかに notatur「~と述べられている」、notandum「注意すべし」、notando「注意しつつ」も可?)
◆ nrae(r の上に直線)= nostrae「私たちの」
◆ nrarū(ひとつめの r と u の上に直線)= nostrarum「私たちの」
◆ nunq(q の上に波線、下に直線)= nunquam「けっして~ない」
O
◆ obłonē(l に短い斜線が交差、e の上に直線)= obligationem「義務を」[obligatio の単数・女性・対格]
◆ oēs(e の上に直線)= omnes「すべて〔の〕」[omnis の複数・男女・主格および対格]
◆ oī(i の上点が直線)= omni「すべて〔の〕」[omnis の単数・男女中・与格および奪格] [CAP] 248 r.7
◆ oīa(i の上点が直線)= omnia「すべて〔の〕」[omnis の単数・中性・主格および対格] [CAP] 248 r.13
◆ oīb.(i の上点が直線)= omnibus「すべて〔の〕」[omnis の複数・男女中・与格および奪格] [CAP] 248 r.15
◆ ondendum(n の上に直線)= ostendendum「示されるべきである」[ostendo の動形容詞]
◆ opi. = opinio「見解」[用例として communis opi[nio]「共通見解」]
◆ opp. = oppositio「反駁、異論」(opponit「異論を唱える」や opponitur「~という異論が唱えられる」も可?)
◆ oro(r の上に直線)= oratio「会話、弁論」 [CAP] 254 r.10
P
◆ p(p の下に直線)= per「~によって、~を通って」[前置詞]
◇ p ...(p の上に直線)= prae ... , pre ...[単語の冒頭部分などで。例えば p[rae]decessor, interp[re]tatio]
◆ p(p の左下にしっぽ)= pro「~のために、~の代わりに」[前置詞]
◇ p ...(p の左下にしっぽ)= pro ...[単語の冒頭部分などで。例えば p[ro]curator]
◆ pcm(m の上に直線)= pactum「契約」[pactum の単数・中性・主格あるいは対格](注: [CAP] 265 r.14 では peccatum の省略形とされているが、法学書では pactum の省略形としても使用されるようである)
◆ płes(l に短い斜線が交差)= plures「より多くの」[CAP] 274 r.2
◆ pns(n の上に直線)= praesens「現在の」[praesens の単数・男女中・主格など] [CAP] 278 r.5
◆ pnt(n の上に直線)= possunt「〔彼らは〕~できる」[CAP] 278 r.10
◆ pntes(n の上に直線)= praesentes「現在の」[praesens の複数・男女・主格あるいは対格]
◆ połe(l に短い斜線が交差)= possibile「可能である」[possibilis の単数・中性・主格など]
◆ pōt(o の上に直線)= potest「〔彼は〕~できる」 [CAP] 282 r.11(注: 文脈にもよるが、potuit ではなく、単純に potest と復元する文献が多いように思われる)
◆ pp(両方の p の下に直線)= propter「~のために」[前置詞]
◆ ppea(両方の p の下に直線)= propterea「それゆえに」 [CAP] 285 r.6
◆ pr(r の上に直線)= pater「父」 [CAP] 288 r.6
◆ pre(r の上に直線)= patre「父から」[pater の単数・男性・奪格][CAP] 289 r.2
◆ pria(r の上に直線)= patria「祖国」 [CAP] 290 l.3
◆ prīo(i の上点が直線)= primo「最初に」
◆ pt(p の上に直線)= potest「〔彼は〕~できる」 [CAP] 293 r.14
◆ ptās(a の上に直線)= potestas「能力」[potestas の単数・女性・主格] [CAP] 294 r.15
◆ ptāte(a の上に直線)= potestate「能力から」[potestas の単数・女性・奪格] [CAP] 295 l.2
◆ pte(p の下に直線)= parte「部分から」[pars の単数・女性・奪格] [CAP] 295 l.5
◆ ptē(p の下に直線、e の上に直線)= partem「部分を」[pars の単数・女性・対格]
Q
◆ q(右横に ɔ がついて、φ のようにも見える)= quod「~ということ、なぜなら~」 [CAP] 302 r.1
◆ q(q の下に直線)= qui[関係代名詞] [SEC] 10 r.2
◆ q(q の上に直線)= quae[関係代名詞](あるいは que)[SEC] 10 l.19
◆ q(q の上に波線、下に直線)= quam「~よりも」
◇ ... q; = ... que[単語の末尾などで。例えば quoq[ue]]
◆ qz(q の右隣に数字の2ないし z のような記号)= quia「なぜなら~、~ということ」
◆ q3(q の上に曲線および右隣に数字の3のような記号)= quam「~よりも」 [CAP] 303 l.4
◆ qa(q の下に直線)= quia「なぜなら~」
◆ qb.(q の下に直線)= quibus[関係代名詞 qui の複数・男女中・与格および奪格]
◆ qcqd(ふたつの q の下に直線)= quicquid「~するものは何でも」
◆ qcunq;(最初の q の下に直線)= quicunque「~する人は誰でも」
◆ qd’(d の右上あたりに点)= quod「~ということ、なぜなら~」 [CAP] 306 r.10
◆ qd(d の上に直線)= quod「~ということ、なぜなら~」 [CAP] 306 r.10
◆ qd(q の下に直線)= quid[疑問詞] [CAP] 306 r.7
◆ q. d. = quasi dicat「あたかも」
◆ qdqd(ふたつの q の下に直線)= quidquid「~するものは何でも」
◆ qn(n の上に直線)= quando「~のとき」 [SEC] 13 r.8
◆ qōnē(o と e の上に直線)= quaestionem「問題を」[quaestio の単数・女性・対格]
◆ qnq;(n の上に直線)= quandoque「~のときはいつでも」
◆ qs(q の下に直線)= quis[疑問詞] [CAP] 314 r.4
◆ qtūcunq;(最初の q の上に波線・下に直線、ひとつめの u の上に直線)= quantumcunque「どれほど~でも」
◆ quałr(l に短い斜線が交差)= qualiter「どのようにして」
◆ qūo(u の上に直線)= quomodo「どのように」
R
◆ respū(u の上に直線)= respectu「~にかんして」」[respectus の単数・男性・奪格] [CAP] 327 l.9
◆ rłant(l に短い斜線が交差、t の上に直線)= regulantur「それらは規定される」[regulo の直接法・現在・3人称複数・受動態]
◆ rn(n の上に直線)= respondeo「私は~と解答(助言)する」
◆ rndeo(n の上に直線)= respondeo「私は~と解答(助言)する」 [SEC] 13 r.19
◆ rndet(n の上に直線)= respondet「それは~と解答(助言)する」
◆ rō(o の上に直線)= ratio「理由、理性」 [CAP] 331 r.4 [SEC] 13 r.20
◆ rōē(o と e の上に直線)= rationem「理由、理性を」[ratio の単数・女性・対格] [CAP] 332 l.10
S
◆ s.(s の上に波線)= supra「前出の、(文書中で)さきに」
◆ ſ.(いわゆる長い s [ſ] )= scilicet「すなわち」 [CAP] 336 l.6
◆ ſ3(いわゆる長い s [ſ] の右隣に数字の3のような記号)= sed「しかし」 [CAP] 337 r.4
◆ ſc3(いわゆる長い s [ſ] と最後に数字の3のような記号)= scilicet「すなわち」
◆ ſcīa(いわゆる長い s [ſ] 、i の上点が直線)= scientia「学問、学識」 [CAP] 344 r.6
◆ ſd(いわゆる長い s [ſ] と d の上に直線)= sed「しかし」
◆ s. e.(s の上に波線)= supra eodem「前出の同箇所で」(注: e. のほかに、eo. や eod. も)
◆ sēp(e の上に波線、p の下に直線)= semper「つねに」
◆ siłe(l に短い斜線が交差)= simile「類似の」[similis の単数・中性・主格など]
◆ simpłr(l に短い斜線が交差)= simpliciter「単純に」
◆ ſm(いわゆる長い s [ſ] に短い斜線が交差)= secundum「~にしたがって」[前置詞]
◆ snīa(i の上点が直線)= sententia「判決を」[sententia の単数・主格など] [SEC] 14 l.10
◆ So. = Solutio「解答、解決」[註釈書でよく見られる表現] [CAP] 355 r.11
◆ Sol. = Solutio「解答、解決」[註釈書でよく見られる表現]
◆ sołone = solutione「解答、解決によって」[solutio の単数・男性・奪格]
◆ sp(p の下に直線)= semper「つねに」 [SEC] 14 l.11
◆ spāli(a の上に直線)= speciali「特別の」[specialis の単数・男性・奪格など] [CAP] 358 l.7
◆ spēm(e の上に直線)= speciem「種類を」[species の単数・女性・対格] [CAP] 359 l.6
◆ spēs(e の上に直線)= species「種類」 [CAP] 358 l.8
◆ sup(p の下に直線)= super「~の上に」[前置詞]
T
◇ ... t(t の上に直線)= ... tur[動詞の三人称の受動態の語尾]
◆ tałr(l に短い斜線が交差)= taliter「そのように」
◆ tm(m の上に直線)= tantum「ただ~だけ」[CAP] 376 r.10
◆ tn(n の上に直線)= tamen「にもかかわらず」 [SEC] 14 r.5
◆ tpa(p の下に直線)= tempora「時間」[tempus の複数・中性・主格および対格][CAP] 379 l.6
◆ tpe(p の下に直線)= tempore「時間から」[tempus の複数・中性・奪格][CAP] 379 r.2
◆ tpis(p の下に直線)= temporis「時間の」[tempus の単数・中性・属格][CAP] 379 r.7
◆ tps(p の下に直線)= tempus「時間」[tempus の単数・中性・主格および対格][CAP] 380 l.6
V
◆ v3(最後に数字の3のような記号)= valet「〔それは〕妥当する」 [CAP] 383 r.7
◆ vc3(最後に数字の3のような記号)= videlicet「~は明らかである」
◆ versi. = versiculo「~という節で」(注: versi. のほかにたんに ver. も)
◆ vł(l に短い斜線が交差)= vel「あるいは」
◆ vłe(l に短い斜線が交差)= universale「普遍的な」[universalis の単数・中性・主格および対格][CAP] 392 l.15
◆ vn(n の上に直線)= unde「そこから、したがって」 [CAP] 394 l.8
◆ vnr(n の上に直線)= videntur「〔それらは〕~のように見える、~と思われる」 [CAP] 394 r.15
◆ vr(r の上に直線)= videtur「〔それは〕~のように見える、~と思われる」 [SEC] 14 r.13
# (sign)
◆ §. fi. = §. finalis「(市民法大全の当該法文の)最後の節・項」